どことなく本が好きなような、そうでもないような。/新曲「桜の森」公開いたしました。

 

家にけっこう本がある。そのうえ母が図書館によく行き本を借りてくる。本が好きなんだと思う。では私はときかれると、最近買った本はといわれれば雑誌とか、筋トレの本とかだったし、すごく好きとかいう感覚ではないような、でも親しみはあるような。ただ、本の匂いは好きかときかれたら好きと答えそう。新しい教科書の匂いとか好きだった。古本屋の匂いも好きかも。あとなんか本の置いてある部屋が落ち着く。

 

昨年末ふと、坂口安吾の「桜の森の満開の下」が読みたくなった。名前は知っていたが読んだことはなかった作品で、母に聞くと「埋もれているどこかにあるはず、すぐには出ない」と言われた。しかし、母はその日の夜にはしっかりと発掘していた。坂口安吾の短編集だった。

 

今回私がBaby Ever Rainでかいた新曲「桜の森」は坂口安吾の作品からとっている。内容もそんな感じ。寂しさと虚無が充満している。血みどろで気持ちの悪い世界なのに、幻想的な。なんかこういった感覚の作品(幻想小説とかって言われるんですかね)で、最近よかったのは夢野久作の「瓶詰の地獄」って作品でした。うーん、道徳と性の目覚め、それでいて何ひとつ本当のことである保証のない不確かさ、みたいな。

 

そういえば「桜の森」に関連して「桜の木の下には死体が埋まっていて…っていうやつですか?」というような話になったのだが、それは坂口安吾ではなく梶井基次郎の「桜の樹の下には」という作品らしい。私もてっきりそうだと思っていたのだが、坂口安吾の「桜の森の満開の下」にはでてこなかったので、野田秀樹という作家さんの「贋作・桜の森の満開の下」という作品の方にでてくる一節なのかなと思っていたら、そうでもなかったらしい。いろんな人が桜に何か思うんだろうなー。

 

なんだか、いつか、キレイなものになって、虚無につつまれて、さらって何事もなかったみたいになりたいなぁという憧れがなんだかもうずーっとあって、どことなくひかれる。なんでだろう、キレイに終わりたい。でもなんかそういうのも、現実では、悲しみや寂しさ、ときには取り戻せないような悔しさを残したりするんだなって最近は思う。

 

ま、とりあえずこのページずっと前から用意していたんだけど、公開するタイミングを見失ってしまっていたので、とりあえずミッションコンプリートできて、うれしい。悔いなし。

 

えりこ。

 

ベビエバ新曲「桜の森」Youtubeにて公開しました!

 

 

Baby Ever Rainが2020年春に放つ新作「桜の森」をYoutubeにアップロードしました。今のところ、公開はYoutubeだけ。次の作品は秋頃のリリース目指して頑張ってます。

 

冬の間、坂口安吾の短編集よみながら春を待っていました。虚無です。

 

えりこ。